2012年1月22日日曜日

マトリョーシカ


「年を取るというのは
マトリョーシカみたいなものでねえ
20歳の自分も5歳の自分も中にいるんだよ」
(メロディ2011年12月号
「花よりも花の如く」より)
10年ぶり、卒業してからは20年ぶりに
北海道大学混声合唱団定期演奏会に行ってきました。
現役世代は下手したら親子の年の差ですし
曲目も、「都ぞ弥生」以外は知らない曲ばかりでした。
もう別世界だなあと最初は感じてたんですが。
でも都の歌い方は自分たちの頃と同じ。
終わってしばらくして、
ああ自分も確かにあそこにいたんだなあと
実感がわいてきました。
人生の中の4年間はあの場所にありました。
時間だけでなく、知性も感性も体力も感情も丸ごと全部。
その4年間に続いては、大学の研究室での日々がありました。
徹夜で実験して討論してレポート書いたあの場所は
今では博物館です。
その次は先週飲みに行った最初の職場がありました。
あの頃は植え付けも田植えも祭りも一体でしたが
最近はそうもいかないみたいです。
それから転勤先がありました。
ゲームが縁で知り合った友達や
一緒に冒険したことから何から。
長いこと、思い出していませんでした。
自分は、子供の頃は過去を振り返ってばかりいた
気がするんですが
自分や友達の引っ越しを機に、
なるべく前だけを見る癖をつけたせいでしょうか。
過去は過ぎ去るものではなく、
自分の中に蓄積されていくものだと
この年になってやっと気がつきました。
気づいたからには、今からでも結び直せる縁は
できるだけ大切にすることにしましょう。