2018年4月14日土曜日

アフタヌーンコンサート2

また来てしまいました北とぴあカナリアホール、
堺裕貴さんのアフタヌーンコンサート(ピアノ伴奏:舟本いづみさん)です!

強風でJRが遅れて気を揉みましたが、無事に地下鉄に乗り継げて一安心。そして地下鉄連絡口のローマ字表示で「きたとぴあ」ではなく「ほくとぴあ」であると知りました。うっ。

前の週に、花粉症が辛そうなツイートをしてらして心配でしたが、やっぱり顔色がすぐれないような…?でも歌は素晴らしかったです。早く季節が過ぎてほしいものですね。

『メサイア』より『トランペットは鳴り響き』
メサイアは全曲聴いたことはなくて、せいぜい合唱だけ抜粋版だったのでこの曲は初聴きでした。最後の審判の刻を告げる歌声。これは死者も目を覚ましますね。

『美しき水車小屋の娘』より『もはや私の心には感じない』
『ドン・ジョヴァンニ』より『シャンパンの歌』
早口でまくしたてるような歌。聴いてる方は楽しかったですが、歌ってる方は百メートル走…お疲れ様でした。

『鈴の音は単調に鳴り響く』
『黒い瞳』
原語と日本語訳歌詞で交互に歌われても違和感がないといいますか、日本語に聞こえなくて、しばらく聴いてから「あれ?」と気づいたりしてました。

昔ボイストレーニングの先生に言われたことですが、日本語の母音は薄く、口の先の方で発音されるので、奥まで広く開ける唱法にはそぐわないのだとか。ウィーン少年合唱団(ちょっと記憶が定かでないですが)が日本語で「さくらさくら」を歌った時、"sakura"の"u"の母音がどうしてもドイツ語の太い"u"になってしまい、日本語の「さくら」に聴こえなかったという話もあるそうです。

堺さんの歌声が日本人離れしているせいもあるかも知れませんね。…などと知ったようなことを言えるほど、プロの方の歌をこんな至近距離で聴いたことはそうないのですが。札幌で合唱やっていて、ソロ活動をしている方々の歌声を間近で聴いて圧倒された時ともまるで違うと感じました。いつかオペラの舞台に役付きで立たれる日を楽しみにしています。

あと「黒い瞳」と聞いて思い浮かべたのは別のメロディだったんですが、聴いてみるとこちらもなんだか覚えがありました。どこで聴いたのか思い出せません。カバー版だったのかな。

『宇宙戦艦ヤマト』
前回は戦艦大和に因んだ歌が入ってましたが、よほどお好きなのでしょうか。あちらは悲壮な歌でしたが、こちらは力が湧いてくる勇壮な歌、軍歌そのものです。いやあ燃える燃える。
昔、職場の送別会の二次会のカラオケで、この歌を替え歌にしてみんなで歌ったことがあります。「地球」=現任地、「イスカンダル」=栄転先、「宇宙戦艦」=栄転後の役職名、「ヤマト」=送別されるご本人の名前で。
なんだか予想外の盛り上がりを見せた挙句、最後の
「うちゅーうせんかん、やー!まー!とーーー!」(ぱっぱらー、ぱぱぱぱっぱらー)
で、名状しがたい異様なハイテンションが醸し出されていました。この時は栄転だったから良かったんですが。後々この時の異様さを思い出した時、かつて勝ち目のない戦争で、こんな音楽に鼓舞され、酔わされて死地に送り出されていった人たちのことを思って寒くなったものです。歌の、音楽の持つ力が、もうそんなことに利用されることがありませんように。
幕間 ベートーヴェン『悲愴』第二楽章
第一、第三楽章の印象が強い曲ですが、こうして第二楽章だけ聴いても沁みます。そう言えば、子供が生まれてからピアノを始めた弟が親子コンサートで披露していたのもこの『悲愴』第二楽章でした。

『桜横丁』中田喜直
『桜横丁』別宮貞雄
同じ詩による曲の聴き比べ。宵の情景を詠っているのですが、前者がまだ明るさを感じさせるのに対し、後者は夜桜のような妖しさ、幽玄みを覚えました。
会場アンケートによると6:4で前者が人気らしいです。

最後は"Non ti scordar di me"、イタリア語で「勿忘草」。
やっぱり日本語よりも、歌曲が発展した国の言葉の方がストレートに迫ってくる気がします。

なんだか歌の感想よりも、聴きながら考えたり思い出したりしたことばかりになってしまいましたが…
次回、7月30日(月)のコンサートも楽しみです。
それまでに、バス〜バリトンの歌曲をいろいろ聴いてみて、堺さんの歌声で聴きたい曲のリクエストなどできたらいいと思っております。

ちゃんと(?)宣伝しておきますか。
2018年7月30日(月)14:30開場15:00開演
王子北とぴあ(地下鉄南北線王子駅から直通)
14Fカナリアホールにて、
共に至近距離からバズーカでぶち抜かれましょう!

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