2015年7月27日月曜日

美術と香りと熊肉とワインと洗脳

日差しは強いですが体調は上々。
この夏に買ったちょっと良いワンピースを着て、東京国立近代美術館の企画展


を観てきました。
美術館の成り立ち、美術の舞台裏を見せてくれるような展示です。

追記:一部の撮影禁止の作品を除き、ルールを守った上で撮影して良し、という企画でした。こちらで撮影・紹介しているのは、もちろんその範疇内です。
http://www.momat.go.jp/am/visit/faq/#section1-3



フェルメールが『絵画芸術』を描いているところの想像図。



光は絵の視認性を確保するために必要である一方で、
また絵を劣化させるものでもある。
そのための様々な工夫の一つ、ハロゲンライト。




災害などで破損してしまった絵の修復や、描き直される以前の状態を知るためのX線照射写真。
フェルメールの作品には、最初ごちゃごちゃ書いてあった場所が、後にただの壁面に塗り潰されていた、なんてことも発見されましたね。



テーマとは外れますが、『理性の眠りは怪物を生む』という作品。だから我々は時折眠らなければならないのです。


そして最後に、美術展というものを完成させるのに不可欠なもの、鑑賞者、すなわちあなた。ちゃんと自分の姿を映してきましたよ。新しいワンピース&靴ちょい見せ。

それからアロマショップにちょっと立ち寄ったり。


自称「レイストリンの香り」がなくなってきました。また作ってもいいんですが、べたべたする本州の夏ですし、旦那が香りに関心を持ち始めたようなので、今度は男性でも使えるきりりとした香りを、てことで考えました。FF零式のクラサメ隊長の香りなんてどうだろうかと。シダー等のウッド系をベースに、ペパーミントをがつんと効かせて、隠し味に何を入れたものでしょうね。凄惨な過去と、「氷剣の死神」などという二つ名を持ち、態度は厳しいけど陰で主人公たちを庇ってるようなお人に。

食事はグラスワインが充実しているお店に。
エゾシカ、ヒグマのローストに、小山羊の煮込み三点セットなんて頼んでみました。



左がエゾシカ、右がヒグマ、奥が小山羊。エゾシカのグリルは函館で食べたことがありました。黒胡椒があいます。さすがに熊の肉は初めてでしたが、普通に美味しかったです。「牛肉だよ」って言われたら信じてしまいそう。小山羊もとろとろに煮込んであって美味しかったです。



そしてワインはソムリエさんお勧めのオレンジワイン。別にオレンジで作ってあるわけではなく、ロゼとも違うオレンジ色をしているからだそうです。これはイタリア産の「アンティクァ」。古来の方法で、素焼きの壷で熟成させた、ややクセのある味と香りでした。


スペイン出張での飲み会でいろんなワインを味わったり(普段はイタリアビールを好んでます)、メンズブティックで嗅がせてもらった男性用コロンに関心を持ったりと、着々と旦那が文明化されつつあります。しめしめ。次は何に染まるかな。

2015年7月21日火曜日

毎夏、髪を切りに行く日が一番暑い

とはいっても毎日暑いです。昼間はなるべく冷房の効いた室内に引きこもり、夕方涼しくなってから買い物に行っているんですが、今日は二ヶ月前に予約を入れていた美容室に行かねばなりません。

よりによって午後2時から。

駅から日陰を辿って遠回りするか、日差しの下最短コースを行くか。最短を選んだら、戸外の登り階段三階分が待っていました。汗だくでなんとかお店に到着。

前回まではセミロングにしてもらって、ロングになりかける頃次の予約だったんですが、今回はミディアムにして、アップにした時後れ毛がふわっとなるように、やや強めのパーマかけてもらいました。浴衣着るのが楽しみです。

お店は居心地いいし、担当の美容師さんもいい人なんですが、実のある会話が成り立たないのが残念です。

「なんかパーマ液の種類がいろいろありますけど、髪の毛のケラチンのシスチン結合をいったん切って、巻いて癖つけて繋ぎ直すって基本は同じですよね?」
「はい、そんな風に学校で習ったんですけど苦手で…すみません(>_<)」

今日も、目の前に置かれたファッション雑誌やゴシップ週刊誌に手をつけない私が退屈しているのではと気を遣ってくれたのでしょう、いろいろ話しかけてくれるのが申し訳なかったです。

「いえ今私、ゲームに出てくるラテン語の合唱曲の歌詞の意味を考察していて、全く退屈じゃないからいいですよ」

と説明したところで、たぶん彼女の脳内ではなんだか高尚そうな「ラテン語」と、「子供のおもちゃ」であるゲームとが結びつかずにゲシュタルト崩壊が起きるに違いない。暑さや食べ物の話で乗り切りました。そしてパーマ定着の間、放置されてる隙にスマホいじり。

高校の頃、歴史の授業がかったるくて(今は深く反省してます)史料集のこういうページ見て暇つぶししてました。
人名言語変化対照表
ミシェルやミハイルは元は大天使ミカエルで、英語だとマイケルになるのかー、とか。

今日の発見は、英名「ジェームズ」は仏語では「ジャック」。つまり、『戦闘妖精・雪風』で、ジェイムズ・ブッカー少佐をジャックと呼ぶ零は実はおフランスかぶれ?

「おフランスかぶれ」ってすごく馬鹿にした感がありますね。実際私の中ではフランス人というと、グルメだモードだと表面かっこつけながら、一皮むくと脳筋の野蛮人というイメージです。『チェーザレ』のフランス団とか、まさに脳筋騎士。

余談:旦那の大学での英語の先生曰く
「英語は男同士語り合う言葉で、仏語は女を口説く言葉で、独語は馬に語りかける言葉」
だそうですがあまりにもあんまりです。ふん、あんな浮ついた言葉で落ちるものですか。むしろ独語で切々と語りかけられた方がくるような気がします。

じゃあイタリア人はっていうと、享楽的に見えながら一皮むくと怜悧というイメージがあります。すみませんルネサンス期の都市国家で認識止まっちゃってますね。でもヴェネツィア共和国だけじゃありませんよ。

高位聖職者なのに陣頭指揮執っちゃうダンボアーズ枢機卿
「イタリア人は戦争の仕方を知らぬ」
小国フィレンツェの下っ端官僚にすぎないマキアヴェッリ
「フランス人は、政治の仕方を知りません」

ああ大好きこの会話。

さて髪は仕上がりました。夕飯の買い物前に本屋さんです。
タイトルと表紙に惹かれて買った、ご無沙汰のロシア文学。

「リスは歌を歌っている……」A.S.プーシキン(巻頭言より)
そういえば大学のロシア語の先生がプーシキン推しでした。『オネーギン』しか読んだことないですが。

ではでは、「リス」ワールドに行ってきます。明日は実のあることが書けますように。

2015年7月5日日曜日

44度の国の小鳥

上様がスペイン出張から帰ってきました。
向こうは連日40度超え、最高気温44度の日もあったとか。
そのお土産、スペインの小鳥図鑑です。



















スペイン語は一年履修したので、辞書さえあれば解読できますよ!…たぶん。
















スペインにもエナガたんはいた!
直訳すると「ヨーロッパの神話」
エナガたんの可愛さはもはや神話でした。

"pico dominuto"=「大変小さいくちばし」
さえずりは"sii sii sii"と表現されてました。


"LARGO Y DELGADO"=「長くて細い」
丸くてほわほわしたものがねこやなぎに止まっています。
わざとだね狙ってるねあざといね。



みんなのアイドルヨーロッパコマドリ。
こんなにかわいくてもアダルト。
歌は"tc-tc-tc-tc"。


キクイタダキちゃんはやっぱり小鳥の王様。
"Reyezuelo"=「小国の王」


こんなにスマートな翡翠ですがマッチョ(雄)です。
実際、日本語の「マッチョ」みたいな意味もあるそうです、"macho"。
雌は"hembra"です。こちらは「色っぽい女性」。


日本では「ムシクイ」と呼ばれる小鳥たち、スペイン語では"Mosquitero"。
蚊ばっかりじゃ栄養が偏りそうだからいろいろ食べてね。


最後は定番イエスズメ。
翡翠の説明にもありましたが、ほっぺたの"mancha"は「斑点」。
ドン=キホーテ、"the man of La Mancha"の「ラ・マンチャ」は地名で直接関係ありません。
スペイン語でスズメの鳴き声は"tec tec tec"だそうです。

ちなみに今日は、背中に灰色のほわ毛を生やしたスズメの巣立ち雛たちに出会いました。
まだ人に対する警戒心薄いです。学習して長生きしてね。