2011年7月13日水曜日

せイヨウオオマルハナバチ


おしりの白いマルハナバチ。
本来日本には生息しない外来生物なんですが
もうかなり前から、これ以外のマルハナバチを見た覚えがありません。
シクラメンのキンケクチブトゾウムシのような害虫と違って、
ハウストマトの受粉のために連れて来られた働き者です。
用が済んだら処分してくださいと言われても忍びなく、
外に逃がしてしまった農家さんの気持ちも分かります。
しかしこれが野外に定着することで、
日本に元からいたマルハナバチの生存が脅かされたり
盗蜜(花の受粉をせずに蜜だけ持っていくこと)で
絶滅しかかっている花があるなど深刻な問題になっています。
一方で、古くから蜂蜜生産のために働かされている
同じく外来種のセイヨウミツバチ。
こちらが野外で問題になってるって話は聞きませんね。
答えは日本のスズメバチとニホンミツバチの戦術にありました。
大型で肉食のスズメバチは、
ミツバチの巣を襲って皆殺しにしてしまうことがありますが
ニホンミツバチは小さいながらスズメバチにたかって
団子状になり、ぶんぶんと体温を上げて
熱でスズメバチを殺してしまうという必殺技を持っています。
セイヨウミツバチはそのような技がないので
野外で巣を作っても生き延びられないのですね。
結果として、天敵が在来種を守っていると言う希有な例でした。